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再始動 [hitorigoto]

1年以上Blogをお休みしていたので、再開するにあたり、
同じソネブロですが、新しいページで再始動することにしました。
はじめてBlogを立ち上げたのがもう8年近く前…怠けながらも映画レビューをコツコツ、
1年前には多い時で1000PVくらいは行くようになっていたのですが、
心機一転、またコツコツ日記代わりに続けようと思います。

ちょうど1年前転職して、新天地で新たに仕事をはじめ…日々に流され怠け心に流され…。
それでも何となく映画について、日々について書くことに飢えていたような気がします。

ということで、以前のページをご存じの方も、そうでない方も、どうぞよろしくお願いします。

【新Blog】
The days of movielover
http://daysofmovielover.blog.so-net.ne.jp/


【旧Blog】
むうびいらばぁのひとりごと
http://movielover.blog2.fc2.com/


"HAIRSPRAY-ヘアスプレー(2007)" [movie-h]

ミュージカル映画は、ハッピーな気分やエンタテイメントとしての面白みを感じさせてくれる。
けれどやはり映画としてみると、どうしても物足りなさを感じる。
そんな私個人が勝手に作り上げた枠組みから抜け出せない作品だったけれど、
それなりに楽しんで、それこそハッピーな気分を感じられる作品だった。

何かと話題になったブロードウェイミュージカルの映画版。
歌って踊れるぽっちゃりさんとしてオーディションで抜擢されたニッキー・ブロンスキーはもとより、
特殊メイクでヒロインの母役に挑んだジョン・トラボルタや、
今作で久々に映画復帰したライバルの母親役のミシェル・ファイファーなど、
存在感たっぷりのキャスティングは思う存分楽しめる。
ストーリーは至極シンプル、ティーンに人気のTV showのオーディションで落とされた、
BIGサイズの主人公トレイシーが、ちょっとしたきっかけで番組への出演のきっかけをつかみ、
瞬く間にお茶の間の人気者になり、試練を乗り越え愛をつかみ、自分を見出す…というもの。

想像以上にジョン・トラボルタ演じる母のキャラクターと、
ライバルであるミシェル・ファイファーの存在感が強い。
その関係性や人種問題が伏線となり、平板なストーリーを盛り上げている。
私個人は伏線の方がメインストーリーより楽しめたけれど。
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ヘアスプレー
HAIRSPRAY
2007/USA/116min

監督:アダム・シャンクマン
脚本:レスリー・ディクソン
オリジナル脚本:ジョン・ウォーターズ(1988年映画版)/ マーク・オドネル(ミュージカル版)
振付:アダム・シャンクマン
作詞:マーク・シェイマン
作曲:マーク・シェイマン
出演:ジョン・トラヴォルタ/ニッキー・ブロンスキー/ミシェル・ファイファー/クリストファー・ウォーケン/クイーン・ラティファ/ザック・エフロン/ブリタニー・スノウ/アマンダ・バインズ/ジェームズ・マースデン/イライジャ・ケリー/アリソン・ジャネイ

"THE BLIND SIDE-しあわせの隠れ場所(2009)" [movie-b]

『あなたの人生史上、最高の実話』

あまりに安直なキャッチコピーで、なんだかなぁ、と思ってしまった。
評価が悪くない作品だったにもかかわらず、いままで観ていなかった。
食わず嫌いは良くないなぁと思って、借りてみた。素直に、いいと思えた。そんな映画。

全米で有名なマイケル・オアーというアメフト選手。
テネシー州メンフィスのスラム街で生まれ、父親の顔を知らず、
薬物中毒の母親に育てられたマイケル。
過酷な環境で育った彼が、運よく私立高校への入学を認められたものの、
家を閉め出されホームレスになり、
雨の降る感謝祭の夜、Tシャツと短パンでとぼとぼ歩いているところを、
サンドラ・ブロック演じる裕福な白人家庭の主婦に見つけられ、彼女の家に身を寄せるところから物語は始まる。
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サンドラ演じる主婦リー・アン・テューイの思い切ったキャラクターがよい。
「元チア・リーダーの裕福な主婦」という言葉から想像しがたい、直観的な判断力と人を見る目。
ステレオタイプなものの見方に囚われない、おおらかな性格と、自分の信念を貫く心意気。
サンドラ・ブロックはこの作品で数々の賞を得たことも記憶に新しいけれど、
彼女に本当に合う役柄だったことは確かだし、彼女が演じることによって、
その存在が際立つものになったことも確かだ。
一方、マイケル・オーアを演じるクィントン・アーロンも、その役柄を見事にこなしていた。
大きな身体に似合わない敏捷な運動神経と、
保護本能(自己や家族を守る本能)に優れた彼を、
アメフトの選手として見出し守り抜いた、周囲の環境やリー・アンの家族たちの理解は相当なものだったと思う。
特に同じ年頃の娘は複雑な心境だったと思う。
彼を家族として迎え入れたことで、周囲の好奇の目やからかいに苦労したこともあったろう。
それでもマイケルを家族としてきちんと認め受け入れたところに、
リー・アンの娘らしい、心意気を感じる。
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弟のSJも彼を素直に受け入れ、家族に溶け込めるよう屈託なく接する。
そんな子供たちの存在も、この作品になくてはならないキーポイントだったし、
一歩引いたところで常に家族を優しく見守り、リー・アンのすることなすこと信じてあげる、夫ショーンの男らしさも、かなり好感度が高かった。

実話だろうが、実話でなかろうが、いい話だし、観ていて本当に心が温かくなり、
そして爽快感を感じられる映画だった。
アメフト、というスポーツを知らなくとも楽しめるし、
逆に、ドラフトの舞台裏や、練習や試合を通してどんな資質が求められるかなど、
アメフトへの理解を深めることもできる内容になっている。
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そして実在のリー・アン一家とマイケル・オアーの写真がこちら。
本当にあたたかいファミリーの雰囲気が、端的に伝わってくる。
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観た後に清々しさの残る作品。

THE BLIND SIDE
しあわせの隠れ場所
2009/USA/128min

監督:ジョン・リー・ハンコック
原作:マイケル・ルイス
『ブラインド・サイド アメフトがもたらした奇蹟』(ランダムハウス講談社刊)
脚本:ジョン・リー・ハンコック
撮影:アラー・キヴィロ
出演:サンドラ・ブロック/クィントン・アーロン/ティム・マッグロウ/キャシー・ベイ
リリー・コリンズ/ジェイ・ヘッド/レイ・マッキノン/キム・ディケンズ/キャサリン・ダイアー


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ご報告 [hitorigoto]

何となく、またもやBlogから離れがちでした。

色々あり過ぎて、書くことで意識されてしまう現実から少し遠くにいたかったのかもしれません。
大阪での生活もだいぶ慣れ、色々なところを見に行ったり、美味しいものを食べたり、
もちろん時々映画も観たり、それなりに、楽しめるようになってきました。
大阪は住みやすくて、思っていた以上に居心地がいいです。
それでもBlogが書けなかったのは、いまの自分の状態があまりに揺らぎ過ぎてて、
地に足が着いてないと思っていたからだと思います。

ともあれ、ようやく色々整理もできて、
新しい方向性が見えてきました。

それも、想像していたより遥かにいい方向に向いていきそうです。
とんでもないスピードで物事が動いて、
そして、その波に乗っている今、このまま勢いで進んでいけたらな、そして前を向いて行けたらな、
そういう気持ちにきちんと自分が向きあえていて、実際に足を踏み出せている、
今はそんな実感があります。

実は大阪に来て1週間後に、勤務している会社が不渡り出しました。
今は民事再生申請中です。
一応再建に向けて動いているようなのですが、まともな人はみんな退社の方向で動いていて、
残るのは社長の腹心ばかり。
結局会社の体質は変わらないし、これでは再建も危うい、そんな気がしています。
東京の本社ではリストラと自主退社の嵐が吹き荒れていました。
そして、まだ在籍している人も、まともな人は心の底では辞めたいと思っている人がほとんどだと思います。
私もすぐにでも辞めたかったのですが、大阪で職なしになる勇気もなく、
転勤していることも考慮されてかリストラ対象からも外された状態でいました。
精神的に不安定になったりもしていましたが、
それでも「なるようになるさ」と思えていたのは、
大阪という地で、大阪の気風に少しでも染まれていたからかもしれません。
そんなテンションが幸いしたのか、
タイミング良く面接を受けた東京の会社からオファーレターをいただくことができました。
業績もいい会社で、これから伸びていこうとしている雰囲気が感じられる会社、
面接でお会いした方々からも前向きな雰囲気が感じられました。
しかも長年願っていたポジションです。
外資系なので、厳しい部分もかなりあると思いますが、
今は本当に真摯に頑張りたいという気持ちでいます。
色んな人に応援していただいて、色んな人からパワーをもらって得られた幸運だと思っています。
本当に本当にありがとうござました。
そしてこれからが正念場だと思っています。

余談ですが、大阪に来る直前、占いで言われたことがことごとく当たっているのに、驚いています。

これから仕事運はずっとしばらくいい、大丈夫、あなたの自由に仕事ができます、
好きにやりなさい、と言われました。
今度の会社は風通しの良い会社で社長は「厳しいけれどフェアな人」と聞きました。
転職のチャンスは6月8月11月にあると言われ、確かに6月もチャンスはあったものの逃していて、今回8月のチャンスでうまく結果を出すことができました。
ここまで当たると本気で信じなくちゃという気になりますね(笑)。

ともあれ、家族や周りの人に心配をかけてしまったので、
早く東京に戻って仕事をしっかりやって結果を出し、落ち着いた生活を取り戻したいなと思っています。
一方で、せっかくの大阪生活をもう少し楽しみたかったなという気もします(笑)。

これを書いている翌日(29日朝)に、いまの会社に退職届を出します。
このタイミングなので、上司がどう反応するかわかりませんし、
残る人には申し訳ない気持ちもありますが、すんなり辞められるといいなと思います。
未来に向かって、踏み出すこんな感覚、久しぶりですごく興奮しています。
頑張りたいって素直に思える、そんな気持ちがすごく快感です(笑)。

ここから先へ。
未来、っていい言葉ですね。

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@万博記念公園



"CRAZY HEART-クレイジー・ハート(2009)" [movie-c]

かつて人気のあったカントリーミュージシャン、バッド・ブレイク。
一世を風靡した時期もあったものの、新作を出すこともなくなり、
いまや酒に溺れて、仕事も地元のボーリング場での営業が精一杯。
所属事務所に新作を出せとせっつかれても、自堕落な日々を送る毎日。
けれど、そんな57歳の彼が、ひとりの女性ジャーナリストと出会い、自分を変えてゆく、そんな物語。
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昨年主演のジェフ・ブリッジスのアカデミー賞受賞で話題となっていたので、記憶にも新しい。
何より設定がわかりやすく、すんなりと観る側の思考に入り込んでくる。
かつての栄光にしがみつき、才能の枯渇と人生に諦めを感じている堕落したミュージシャン、
彼を変えるきっかけとなる女性の存在、トラウマと葛藤の克服、そして復活。
ドサ周りで生活を支える酒浸りのミュージシャンが、ひとりのシングルマザーに惚れて、
一念発起し、紆余曲折あった後に、老境を目前にして新しい自分を確立してゆく。
日本におきかえれば歌謡曲や演歌の世界におきかえられるかもしれないけれど、
こういう設定は日本人にも感情移入しやすいと思う。

色んな意味で、本当に素直な作品だと思った。
監督第1作であるスコット・クーパーの、なんの衒いもない姿勢が見て取れる。
そこに"ビッグ・リボウスキ"などでの特異な演技が印象に残るジェフ・ブリッジスの、
意外にも率直な演技がはまっている。
設定もベタだし、出てくるキャラクターも悪く言えば紋切り型に近いのに、
なぜか好感を持ってしまうのは、役者の巧さと、演出の素直さと、キーである音楽の質の高さだろうと思う。
アカデミーの助演女優賞は逃したものの、ヒロインであるマギー・ギレンホールの、
美人というには物足りないけれどなぜか好感を持ってしまう、そんな存在感も相乗効果をうんでいた。
個人的にはコリン・ファレルのベタなキャラクターにも面白味を感じられたたし、
ただのべたなハッピーエンドのラブストーリーではなかったところもいい。
けれど、なんだか少し物足りなさを感じてしまうのは、
私自身が少しばかりひねくれているからかもしれない、そんな感想を持ってしまった映画だった。
本当に、素直に観られる、素直なアメリカ映画。そんな作品。

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CRAZY HEART
クレイジー・ハート
111min/USA/2009

監督:スコット・クーパー
原作:トーマス・コッブ
脚本:スコット・クーパー
撮影:バリー・マーコウィッツ
プロダクションデザイン: ワルデマー・カリノウスキー
音楽:T=ボーン・バーネット/スティーヴン・ブルトン
出演: ジェフ・ブリッジス/マギー・ギレンホール/ロバート・デュヴァル/ライアン・ビンガム/コリン・ファレル
ポール・ハーマン/トム・バウアー/ベス・グラント/ウィリアム・マークェス/リック・ダイアル/ジャック・ネイション


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"BIUTIFUL-ビューティフル(2010)" [movie-b]

「大好きな映画とは??」

何度も観て、細部も記憶に刻み、観ると気分が上がったり、心地良かったり、
そしてただそれだけではなく「何か」を感じられる。
そんな作用を私にもたらす映画を、私は「好きだ」とはっきり言い切れる。
いままでに観た作品は数え上げるときりがないけれど、その中で本気でそう思えたのはほんの一握り。
"ビューティフル-BIUTIFUL"
この作品はそういった個人的嗜好とは一線を画す。
こうして観終わった後にも深く満たされた感覚があり、
この映画を観に来てよかったと思っているにもかかわらず、もっと何度も観たいと思うことができず、
この映画について考えようとすると心がきりきりと締め付けられるようで、
思考はあちらこちらと惑い、考えが定まらず、どうしても「好き」と言い切れない。
それはアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥという監督が、
どれだけの表現能力を持ちえている作家なのかということを端的に表しているような気もする。
彼の作品を観るという行為に対して、定まった感情が持てない。
それはとりもなおさず彼の作品がどれだけ強いメッセージ性と問題性を孕んでいるか、ということにも通じる。
死、は昔から文学や映画や音楽の中でテーマとして捉えられてきているが、
その中でも、このようなネガティブなもの、誰もが避けることのできないもの、
大昔から何度も何度も取り上げられたこの普遍的なテーマを、
これほどまでに色濃く描ききっている作品はやはりそこまで多くないのでは、と思う。

主人公ウスバル(ハビエル・バルデム)の存在感がすごい。
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オープニングは最後につながる伏線として美しくも情緒的な情景が描かれているが、
始めから終わりまで、彼の存在感無くしてはこの作品はありえなかった気がする。
バルセロナに暮らすウスバルは、精神的に不安定な妻マランブラ(マリセル・アルバレス)と別れ、
ふたりの子供を育てるためにアフリカや中国からの不法移民への仕事斡旋や、警察への仲介役を生業として金を稼いでいた。
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身体の不調を感じた彼は病院で検査を受けるが、結果は余命2か月という過酷なものだった。
家族に伝えられず日々を生きるウスバルの周りでは様々なでき事が起こる。
その起こる事柄にも執拗なまでに「死」の影がまとわりついているのだ。
ヨーロッパの中でもラテン系で比較的治安が悪いイメージのあるスペイン。
大都市バルセロナのスラムはこの作品の混沌としたイメージにぴったりな場所だと思う。
スラム街のピリピリした雰囲気、繁華街で商売をする移民やジプシーの存在、
サグラダ・ファミリアの荘厳さがむしろ夢のようにすら思われる汚いアパートや路地。
作品の細部にまでイニャリトゥ監督の意識が入り込んでいる。
もうひとつ、死にまつわる出来事にウスバルの存在が大きく絡むのは、霊的な体験談である。
元々霊媒体質として描かれる彼の体験が、可視化され、
視覚・聴覚ともに映像化される様は見事だ。
胡散臭ささえ感じられるこれらの演出は、
観終わった今では、すべてこの映画に必要不可欠なものだった、ということが理解できる。
そして、いままでの監督作品にもその傾向は強く出ていたけれど、
音が特に重要なファクターとして存在するように感じられる。
たとえば模倣される海と風の音。耳障りな街の音。いかがわしいクラブでの強烈なダンスミュージック。
映像的には手触りすら感じられそうなリアリティを追求するイニャリトゥ監督は、
時に不快感を感じるほど強く聴覚に訴える音響効果で、観る者の感覚を研ぎ澄ます。

色々な意味でこれほどまでに心をかき乱される作品に出会ったのは久しぶりだった。
死と向き合う。ある意味こんなにも人間らしい行為は他にないかもしれない。
そこに至る過程のドラマは人それぞれだし、
自分の年齢だとまだまだ遠いこととして取り合うことをしなかったりするけれど、
あえて避けずに考えることも、時には必要じゃないかとさえ思えた。
そして家族というファクター。
特にウスバルの子供たちに対する愛情と、子供たちのウスバルへの信頼は、本当に純粋だと思えた。
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そして精神的な問題を抱えるがゆえに、その家族という温かなサークルからはみ出してしまう母マランブラ。
彼女の存在もまた、死というファクターに捉えられていたのかもしれない。
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重く、長い映画だった。
けれどその中身は本当に濃く、蔑ろにできる部分は少しもない。
死と、そして死を描くことによって生を、生を描くことによって愛を、描いているのだと思った。
今年観た中でいちばん重みを感じ、観た後に強い充実感を感じられた映画。

BIUTIFUL ビューティフル(2010)
BIUTIFUL
2010/ESP=MEX/148min

監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
原案:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
脚本:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ/アルマンド・ボー/ニコラス・ヒアコボーネ
撮影: ロドリゴ・プリエト
美術:ブリジット・ブロシュ
編集:スティーヴン・ミリオン
音楽:グスターボ・サンタオラヤ
出演:ハビエル・バルデム ウスバル
マリセル・アルバレス マランブラ
エドゥアルド・フェルナンデス ティト
ディアリァトゥ・ダフ イヘ
チェン・ツァイシェン ハイ
アナー・ボウチャイブ アナ
ギレルモ・エストレヤ マテオ
ルオ・チン リウェイ

"FROZEN RIVER-フローズン・リバー(2008)" [movie-f]

「フローズンリバー」
公開時、気になりつつもなんとなくスルーしてしまっていた作品。

トレーラーハウスが並ぶアメリカの田舎町。
ニューヨーク州とは思えない、何もなく寒々しい景色が画面に広がる。
そんな町のトレーラーハウスのひとつで二人の息子と暮らしているレイ(メリッサ・レオ)は、
ギャンブル好きの旦那に新居の購入費用を持ち逃げされ、途方に暮れていた。
底辺で惑う、白人の中年女性の倦怠感が画面から滲む。
持ち逃げした夫を探していたレイは、ビンゴ会場の駐車場で夫の車を発見する。
逃げる車を追いかけると、その車に乗っていたのは、ライラ(ミスティ・アッパム)というアメリカンインディアンのモホーク族の女性。
ライラはキーが刺さった車を見つけただけと主張するが、もちろんレイは納得しない。
けれど彼女がお金に困っているのを見て取ったライラは、彼女に車を買い取ってくれる人間を紹介しようと提案する。
彼女について行ったレイは、中国人の不法入国者の密入国の手助けをするように言われる。
白人と一緒にいることで密入国がしやすくなると踏んで彼女に協力を求めるライラ。
はめられたと気づくレイ。ライラのふてぶてしさに苛立ちながらも、
結局お金のためにその仕事を請け負うことになる。
そして取り締まりのある正規の橋ではなく、危険を冒し車で凍った川(フローズン・リバー)を渡る二人。

救いのなさにうんざりする瞬間もある。
幼い次男の無邪気な姿がこの作品の息抜き的存在にもなっているが、
所帯やつれしたレイの雰囲気や、長男のTJ(チャーリー・マクダーモット)と言い争うシーンは、
思わず軽い嫌悪感を感じそうにもなる。
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夫に逃げられ、食うや食わずで、新居どころかレンタルテレビも支払いができずに回収されそうになるレイと、
夫の死後、子供を義理の母にとられ、彼女との確執に憤り、
うまくいかない人生に投げやりになっているようにも見えるライラ。
二人は人種や境遇を超え、少しずつシンパシーを感じあうようになる。
そして危ない橋を渡った報酬でつかの間の夢を見るレイ。
母親のことを疑い、父親への屈折した思いに引きずられながらも、彼女のことを結局は信じる息子TJ。
脚本はそれぞれの登場人物の関係性や心情を深掘りはせずに、リアルに淡々と描いている。
このまま救いがない感じで結局はだらだらと終わるのかと思いきや、
そこはサンダンス映画祭グランプリも獲った作品。一転して最後の幕切れの展開、描き方は鮮やかだった。
シンプルながら、爽快感を感じる幕切れ。
淡々とした人物像や状況の描き方が功を奏していると思う。
この作品が、日本でなかなか配給元が見つからなかったというのは悲しい話だ。

ラストにレイがとった行動そのものと、凍った川のイメージがこの映画の象徴だと思う。
追い詰められ凍った川を渡る、その心情と、茫漠とした景色は、この作品をアメリカらしい作品として認識させる。
彼の国の貧困層の生活と人種政策問題など、
理解するだけだなく感じることができないと理解しづらいかもしれないが、
最後に見えた希望が、この作品が描きたかったすべてのことなのかもしれないと思わされた。
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FROZEN RIVER
フローズン・リバー
2008/USA/97min

監督:コートニー・ハント
脚本:コートニー・ハント
撮影:リード・モラーノ
編集:ケイト・ウィリアムズ
出演: メリッサ・レオ/ミスティ・アッパム/チャーリー・マクダーモット/マーク・ブーン・ジュニア
マイケル・オキーフ/ジェイ・クレイツ/ジョン・カヌー/ディラン・カルソーナ/マイケル・スカイ


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Sightseeing in OSAKA part1 [TRAVEL]

大阪に来て以来、なんだかんだ言ってミーハーな私は、
休みの日は市内をふらふら観光して回ってたりします。
東京都内で外出しても意外と撮れなかったりする写真も、ここだと地元感がないからか、
気軽にパシャパシャとれる気がします。
そんな写真も撮りためているだけだとつまらないので、少しずつアップしようかなと。

第一弾は大好きな海遊館でたっぷり癒され、そのあとは本当にベタですが、新世界に行ってきました。

あいにくのお天気で人も少なめの。
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カップルと親子連れが9割を占める水族館。
海の生き物大好きな私にとってはひとりで癒されに来たい空間なんですけど(笑)。
というか、もっと一人で気軽に来られる感じだったらいいのに、と常々思います。

漫才してるみたいなペンギンコンビ。
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いちばんのお目当て、ジンベイザメくん。
前はもう一匹いたような気が…。
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同じ水槽で悠々と泳ぐエイも空飛んでるみたいで楽しい眺め。 同じくマンボウののんびりした姿も癒されます…。 OSAKA0713057.jpg 最後に究極の癒し空間に舞うクラゲたち…。 OSAKA0713060.jpg 外に出ると少し雨も上がってきてました。 大阪港は見慣れた横浜港と比べるとちょっと寂しげ。 OSAKA0713068.jpg OSAKA0713071.jpg そして電車に乗って、新世界へ。 平日+雨+夕暮れ時だったからか、通天閣前の商店街は閑散とした雰囲気。 はじめてなので一応、登ってみました、通天閣。 OSAKA0713077.jpg さすがに東京タワーやヒルズのシティビュー観たいなわけにはいきませんが、 ミナミの雰囲気が空から体感できて面白かったです。 天王寺のあたりは動物園があるからか緑がいっぱい。 OSAKA0713081.jpg お約束のビリケンさん。 OSAKA0713086.jpg ビリケンさんの後に観た、新世界の昔の映像やミニチュアが意外と面白かったです。 OSAKA0713089.jpg OSAKA0713090.jpg 新世界のエリア自体がいまだ古い大阪のレトロな雰囲気を残していて、それがなんだかいい意味で猥雑で面白い。 外に出ると夕飯時で、新世界の飲食店街も客引きがいたりで、 寂れた感じも少しは和らいで、少し活気が出てきてました。 OSAKA0713093.jpg せっかくここまで来たんだからと近江屋で串カツでビール。 有名なだるまではないですが、美味しかった!! お店の人も親切でひとりでも楽しく食べられました。 OSAKA0713094.jpg それにしても結構食べ過ぎたかも。うーん。 さすがに揚げ物の食べ過ぎは胃にこたえます…。 帰り道も堺筋線動物園前駅までレトロな商店街を歩いていたら、 お酒も入っていたからか、何だかタイムスリップしたみたいな気持になりました。 OSAKA0713095.jpg 異国、って感じがびしばしします。アジアっぽいというか。 こんなところで岩井俊二とかが映画撮ったら面白そうと思わせる雰囲気。 東京にはない雰囲気ですね。 掘り下げたら面白いところがいっぱいありそうな気がします、大阪。

"SOMETHING'S GOTTA GIVE-恋愛適齢期(2003)" [movie-s]

アカデミー俳優ジャック・ニコルソン×ダイアン・キートン、豪華な配役の大人の恋愛コメディ。
公開当時20代だった私にはこの配役も、設定もイマイチぴんとこなかったからなのか、
今まで未見だった作品。
Gyaoの無料動画のラインナップに乗っていたので、気軽に観てみる気になった。

設定がベタだけれど面白い。
自分と同世代の娘の交際相手と別荘で鉢合わせする脚本家、エリカ(ダイアン・キートン)。
離婚後、仕事はバリバリこなしているけれど、恋愛とはご無沙汰な50代。
一方、63歳という年齢ながら、30歳以下の女とは交際しないプレイボーイとして有名な、
某音楽レーベルの経営者、ハリー(ジャック・ニコルソン)。
この二人の関係性がコミカルな展開で描かれてゆく。
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同じナンシー・マイヤーズ監督の『ホリデイ』のときも思ったのだけれど、
彼女が元々脚本家としてキャリアをスタートさせているからか、言葉の使い方が非常に巧い。
意外と原語自体もシンプルで、気軽な英会話の教材としてもいい気がする。
英語の"気のきいた"台詞を学ぶのにもいいかも。
各キャラクターが生き生きとして、人間らしく、ある種の余裕すら感じられる。
もちろんダイアン・キートン自身の魅力に依るところも大きいと思うけれど、
50代という年齢設定でありながら彼女がすごく可愛く見えてしまうのは、
こういった台詞の妙味とキャラクターが醸し出すハーモニーのようなものに負うところが大きいと思う。
私はまったく心惹かれないけれど、ジャック・ニコルソンのあの声で、あのキャラで、
案外気のきいた優しい台詞を言われると、女心に響くだろう。
そして設定的に無理があるかもと思うけれど、
エリカに恋心を抱く医師役で登場するキアヌ・リーブスの台詞の気障っぷりもキャラクターにはまっていた。
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主人公二人のキャスティングも大きいが、
脇役たちの適度な存在感もこの作品を楽しむための要素のひとつたりえている。
個人的に気にいったのはエリカの妹役ゾーイを演じているフランシス・マクドーマン。
彼女のシニカルな脇役っぷりは見事。
娘役のアマンダ・ピートもキュートで奔放なキャラクターを存分に演じている。
冷静に考えたら、設定やキャラクターに無理があると言えなくもない部分もあるけれど、
恋に狂わされ、感情に振り回されながらも仕事に打ち込むダイアン・キートンの振り切れた演技ひとつとっても、
過剰であるがゆえにそこが良かったのかもしれないと思う。
いい意味でわざとらしくも、爽やかで、巧妙な大人の恋愛コメディ。
年齢を重ねても、女性は可愛らしく、男も男性の部分を捨てずにいるって、素敵なことだと思わされる。
LOVE IS WONDERFUL THING!!
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恋愛適齢期(2003)
SOMETHING'S GOTTA GIVE
2003/USA/128min

監督:ナンシー・マイヤーズ
脚本:ナンシー・マイヤーズ
撮影:ミヒャエル・バルハウス
編集:ジョー・ハッシング
音楽:ハンス・ジマー
出演:ジャック・ニコルソン/ダイアン・キートン/キアヌ・リーヴス
フランシス・マクドーマンド/アマンダ・ピート


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こちらもおススメ。
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"MOONLIGHT MILE-ムーンライト・マイル(2002)" [movie-m]

引っ越し等々で忙しく、映画を観るペースも一気にスローダウン。
引っ越し直後に観ていて、いまだレビューができていなかったこちらは、
どうして今まで観られていなかったんだろうと思える質の良い作品だった。

ダスティン・ホフマン演じるベンとスーザン・サランドン演じるジョージョーの娘ダイアナが、
不幸な発砲事件に巻き込まれて亡くなってしまう。
娘のフィアンセであるジェイク・ギレンホール演じるジョーは、なし崩し的に彼ら夫妻と生活をともにし、
さらにベンの仕事も手伝うようになるのだが、彼はふたりに秘密を抱えながら一緒に暮らしていた。

私の人生におけるワースト10に入る(笑)『シティ・オブ・エンジェル』の監督とは思えない、
歯切れの良いオープニングが私好み。
鳴り響く電話のベルの中、外出の準備をする3人。
会話や衣服から、葬儀へ向かう準備なのだな、と思い当たる。
家の前にずらっと並ぶ参列者を乗せた黒塗りの車の列。
律義にドアを閉めて回るベンの立ち居振る舞いに、彼の性格が見て取れる。
最後に3人が乗り込んだ車のエンジンをドライバーがかけると、車内に大音量で流れる
SLY&THE FAMILY STONE "I wanna take you higher"
一瞬車内に流れる気まずい空気に、ドライバーはすぐにオーディオを消す。
それを後ろの座席から身を乗り出して無言でつけ直すジョージョー。
曲に合わせて黒塗りの車の列が、街中を日常を切り裂いて通ってゆく様が映し出される。
思いがけないセンスの良さが小気味よい。
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状況や関係性が分からないままに観ていると、次第に状況があらわになってくる。
彼らの不幸に共感するような周囲の反応に嫌悪感を隠さないシニカルなジョージョーと、
常識や儀礼に囚われるベンの夫妻の対比が面白い。
そんなふたりの間で右往左往するジョー。
戸惑いながらも娘を亡くした彼ら二人の状況を理解し寄り添おうとするが、
発送済みの結婚式の招待状を回収するために訪れた郵便局で、バーティーという魅力的な女性に出会う。
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ベンとジョージョーに気兼ねしながらも、少しずつ、打ち解け心を通わせるジョーとバーティ。
ジョーは夫妻に対し秘密を抱えていて、バーティもまた、心に重いものを抱えたまま、
ジョーとの関係に悩んでいた。
彼ら二人の関係性と、ベン&ジョージョー夫妻とジョーの関係性が、
色々な状況に応じて少しずつ変化してゆく様子が描かれる。
物語の合間のちょっとしたシークエンスが心地よい。
70年代のヒットソングが巧く使われていてセンスが感じられる。
クライマックスはジョーの抱える秘密が暴露された後、娘を殺した犯人の裁判でジョーが証言台に立つシーン。
まったく期待せずに観た分、いいと思えたのかもしれない。
多分公開当時は『シティ・オブ・エンジェル』の監督の…というタイトルで観るのをためらったんだと思う。
クールな女検事補役で登場するホリー・ハンターも脇役ながら良かった。
物語に共感できずとも、俳優たちの巧さには納得できる部分があるだろうし、
ところどころでの曲の使い方の巧さは一見の価値があると思う。
ちなみにタイトルのムーンライト・マイルは作中でも使われている、ストーンズの曲のタイトル。

MOONLIGHT MILE
ムーンライト・マイル
2002/USA/116min

監督:ブラッド・シルバーリング
製作:マーク・ジョンソン/ブラッド・シルバーリング
脚本:ブラッド・シルバーリング
撮影:フェドン・パパマイケル
音楽:マーク・アイシャム
出演:ジェイク・ギレンホール/ダスティン・ホフマン/スーザン・サランドン
エレン・ポンピオ/ホリー・ハンター
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